老人ホームに入居するには要介護や要支援認定が必要?認定を受けるまでの流れや入居基準を紹介🏠

介護保険を利用するためには「要介護」もしくは「要支援」の認定を受ける必要があります。「要介護」「要支援」という言葉を聞いたことがある方は多いと思いますが、状態や違いまで理解している方は少ないでしょう。

「要介護」や「要支援」は、日常生活を送るために必要とする介護の程度を示すものです。介護度により、利用できる介護サービスの内容や支給限度額が異なります。

この記事では、要介護と要支援の違いや、要介護認定を受けるまでの流れ、介護度別の支給限度額、老人ホームの入居条件などを解説します。現在、介護の必要がない方もいざというときのために、要介護や要支援について理解しておくことがおすすめです。

要介護、要支援とはどのような状態?

要介護や要支援は、日常生活を送るために必要となる介護の程度を示す指標です。要介護度は、厚生労働省が定めた基準により介護度が判定され、必要となる介護の程度によって要支援1~2、要介護1~5の7段階に分けられています。

要支援とは?

厚生労働省によると要支援状態は、以下のように定義されています。

“身体上若しくは精神上の障害があるために入浴、排せつ、食事等の日常生活における基本的な動作の全部若しくは一部について厚生労働省令で定める期間にわたり継続して常時介護を要する状態の軽減若しくは悪化の防止に特に資する支援を要すると見込まれ、又は身体上若しくは精神上の障害があるために厚生労働省令で定める期間に渡り継続して日常生活を営むのに支障があると見込まれる状態であって、支援の必要の程度に応じて厚生労働省令で定める区分(要支援状態区分)のいずれかに該当するものをいう”

※厚生労働省令の定める期間:原則6ヶ月

引用:要介護認定に係る法令

日常生活を送るために必要となる基本動作(食事や入浴など)の大部分はひとりでできるが、一部(掃除や料理など)については支援が必要な状態が6ヶ月以上続いているということです。

要介護とは?

厚生労働省によると要介護状態は、以下のように定義されています。

“身体上又は精神上の障害があるために、入浴、排せつ、食事等の日常生活における基本的な動作の全部又は一部について、厚生労働省令で定める期間にわたり継続して、常時介護を要すると見込まれる状態であって、その介護の必要の程度に応じて厚生労働省令で定める区分(要介護状態区分)のいずれかに該当するもの(要支援状態に該当するものを除く。)をいう”

引用:要介護認定に係る法令

日常生活を一人で送ることが難しく、誰かの介護が必要な状態が6ヶ月以上続いているということです。

要支援と要介護の違いとは?

要支援と要介護の違いを理解しやすいように以下の表にまとめました。

 要支援要介護
状態・基本的にひとりで日常生活を送れるが、一部介助が必要・日常生活を送るためには介護が必要 ・認知機能の低下がみられる
利用できるサービス介護予防サービス介護サービス
相談先地域包括支援センター職員ケアマネージャー(介護支援専門員)

要支援と要介護の状態の違いは、日常生活をひとりで送れるかどうかです。認知機能が低下すると、日常生活を送るためにさまざまな支障が生じるため、一般的には要介護状態と判定されます。

介護予防サービスとは?

介護予防サービスは、要支援認定を受けた方が利用できるもので、現在の状態の維持向上や悪化予防を図り、要介護にならないことを目的としています。サービスを利用する前に地域包括支援センターの職員に相談して、介護予防ケアプランを作成してもらう必要があります。

介護サービスとは?

介護サービスは、要介護認定を受けた方が利用できるもので、できるだけ自立した生活が送れるようにすることを目的としています。サービスを利用する前に、ケアマネージャーに相談して、ケアプランを作成してもらう必要があります。

介護度別の認定基準と状態比較表

要支援1~2、要介護1~5の認定基準と状態の目安を以下の表にまとめました。

要介護度認定基準状態の目安
要支援1ほぼひとりで日常生活を送ることができる状態。適切なサポート、生活習慣の見直しなどで要介護状態になることの予防が期待できる。食事や排せつ、入浴などは自分でできるが、掃除や料理などができない状態。
要支援2ほぼひとりで日常生活を送ることができるが、要支援1の状態に比べると支援が必要となることが多い状態。適切なサポート、生活習慣の見直しなどで要介護状態になることの予防が期待できる。食事や排せつなどはひとりでできるが、立ち上がるときにふらつく、移動に支えが必要、浴槽をまたげない、背中を洗えない状態。
要介護1要支援よりも身体機能が低下し、日常生活を送るために部分的な介助が必要な状態。また、思考力や判断力の低下がみられる。排せつや入浴などに見守りや部分的な介助が必要な状態。
要介護2歩行が不安定で、排せつや食事など基本動作にも部分的または全面的に介助が必要な状態。要介護1に比べ思考力や判断力の低下がみられる。ひとりで立ち上がったり、歩いたりすることが難しい、着替えや爪切りに部分的な介助が必要な状態。 認知機能が低下、問題行動がみられることがある。
要介護3日常生活の基本動作にも全面的な介助が必要。認知機能の低下で日常生活に支障をきたしている。排せつ、食事など基本動作にも全面的な介助が必要な状態。認知機能の低下、問題行動がみられることがある。
要介護4日常生活全般において全面的な介助が必要。また、思考力や理解力の低下がみられ、意思疎通がやや難しい。排せつ、食事、入浴などすべての行動に介助が必要な状態。認知症が進行し、暴力や暴言、徘徊などに対応が必要。
要介護5ほぼ寝たきりの状態で日常生活全般に介助が必要。思考力、理解力の低下がみられ、意思疎通を取ることが難しい。寝たきりで食事や寝がえりもひとりでできない状態。話しかけても応答がなく、会話ができない。

※紹介したものはあくまでも一例で、すべてのケースに当てはまるものではありません。

介護度別の介護保険支給限度額一覧表

介護度と住んでいる地域により1ヶ月当たりの介護保険サービスの支給限度額が異なります。限度額以内のサービスは1~3割負担で利用できますが、限度額を超えてサービスを利用した分は、全額自己負担になります。

標準地域における介護度別の介護保険支給限度額の目安を以下の表にまとめました。

要介護度支給限度額
要支援150,320円
要支援2105,310円
要介護1167,650円
要介護2197,050円
要介護3270,480円
要介護4309,380円
要介護5362,170円

※住んでいる地域により支給限度額は異なるため、正確な支給限度額を知りたい方は、住んでいる自治体に問い合わせてください。

例:要介護度1(1割負担)の方が1ヶ月に200,000円分の介護保険サービスを受けた場合の費用

200,000円-167,650円(要介護度1の支給限度額)=32,350円(支給限度額超過分)

自己負担額:16,765円(支給限度額の1割)+32,350円=49,115円

要介護・要支援認定を受けるまでの流れ

介護保険サービスを利用するためには、申請し要介護認定を受けなければなりません。要

支援・要介護認定を受けるまでの流れは以下の通りです。

  1. 要介護認定の申請
  2. 認定調査
  3. 調査結果の通知

要介護認定の申請

要介護認定の申請は、各市町村の高齢福祉課または各支所福祉課の窓口です。地域包括支援センターや居宅介護支援事務所、介護保険施設で申請の依頼ができます。

申請は、本人以外に家族、ケアマネージャーも代理で行えます。

申請時に必要なものは、自治体により異なるので住んでいる地域の役所に確認してください。一般的には、必要事項を記入した申請書、介護保険の保険証、医療保険の保険証、マイナンバーが確認できるもの、身分確認ができるもの(運転免許証など)が必要となります。

申請書には、主治医の氏名や医療機関、所在地、電話番号の記入欄があるので、かかりつけ医がいる方は事前に相談しておきましょう。

認定調査

要介護認定の申請をすると、介護や支援の程度を判定するための認定調査が行われます。

認定調査の流れは以下の通りです。

  1. 訪問調査
  2. 主治医の意見書
  3. 一次判定
  4. 二次判定

訪問調査

市町村の調査員もしくは委託を受けたケアマネージャーが自宅や入院先の病院などを訪問し、心身の状態や家族・居住環境などについて聞き取り調査を行います。質問は約70項目あり、所要時間は30分~1時間程度。

現在の状態を正確に伝えることが重要です。伝えたいことをまとめておくことをおすすめします。

心身の衰えや認知機能の低下などを他の人には知られたくない、できるだけよく見せたい方もいるので、家族が立ち合うことが望ましいです。また、排せつ行為や問題行動などを本人の前で調査員に話しにくいことは、帰り際に伝えたり、メモに書いて渡したりすることをおすすめします。

主治医の意見書

市の依頼により主治医が意見書を作成します。そのため、かかりつけ医に介護認定の申請をすることを事前に伝えておいてください。その際、地面に座ると立ち上がるのが難しい、歩くときどこかに触っていないと不安定、曜日がわからなくなるときがあるなど現在の状態をかかりつけ医に伝えておきましょう。

主治医がいない場合は、市が紹介する医師の診断を受け、意見書を作成してもらいます。

一次判定

訪問調査の結果や主治医の意見書の一部をコンピューターに入力して、自動的に要介護判定を行います。

二次判定

介護認定審査会が開かれ、一次判定と主治医の意見書などをもとに、医療や保険、福祉の専門家が審査をします。

調査結果の通知

審査結果は、原則申請から30日以内に郵送で届きます。審査結果に不服がある場合は、結果通知を受け取ってから3ヶ月以内に申し立て可能です。

要介護認定を受けた方はケアマネージャー、要支援認定を受けた方は介護包括支援センターに連絡し、ケアプランを作成してもらう必要があります。

新規申請の場合の要介護認定の有効期限は、原則6ヶ月です。しかし、申請者の状態によって3ヶ月~12ヶ月の範囲内で有効期限が設定される場合もあります。有効期限が過ぎる前に更新手続きが必要です。更新手続きをせずに有効期限が切れてしまうと、全額自己負担となってしまうので注意してください。有効期限は、介護保険被保険者証に記載されているので、確認しておきましょう。

老人ホームの介護度に関する入居条件一覧

各種老人ホームには、介護度に関しての入居条件を設定しているところがあります。要介護1以上を入居条件にしている施設に入居するためには、要介護認定を申請し認定を受けなければなりません。

介護度別の老人ホームの入居条件を以下の表にまとめました。

×:入居不可 〇:入居可

運営種類自立要支援要介護1~2要介護3~5
民間施設介護付き有料老人ホーム 〇 〇  〇  〇
住宅型有料老人ホーム 〇 〇  〇〇 
サービス付き高齢者向け住宅 〇 〇  〇  〇
グループホーム × 〇※1  〇  〇
公的施設特別養護老人ホーム × ×  ×  〇
介護老人保健施設 × ×  〇  〇
介護医療院 × ×  〇  〇
ケアハウス 〇 〇  〇※2  〇※2

※1グループホームは原則要支援2以上

※2介護型ケアハウスは要介護者を受け入れ可能

受け入れ可能かどうかは同じ種類の施設でも、施設により異なるので目安として考えてください。

グループホームを除く民間施設(介護付き有料老人ホーム、住宅型有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅)とケアハウスは、要介護・要支援認定を受けていなくても入居可能です。

要介護認定を受けた主な理由が認知症である場合は、認定基準を満たしていても入居できない場合があります。同じ種類の施設でも基準が異なるため、入居希望の施設に認知症の方を受け入れているかどうかの確認が必要です。認知症の人向けの施設は、民間ならグループホーム、公的ならケアハウスがあります。

まとめ

要介護と要支援の違いや、要介護認定を受けるまでの流れ、介護度別の支給限度額、老人ホームの入居条件などを解説しました。

経済的負担を抑えて介護サービスを利用し、希望の老人ホームに入居するには、適切な介護認定を受ける必要があります。

要介護・要支援認定、老人ホームに入居する介護度基準などのご質問やお悩みがある方は、弊社までお気軽にご相談ください。